「もし気にいらなかったら、自分がお店に行った時読むので本棚においてね」、と最近友人からプレゼントされた本です。
4歳から14歳までに出会った本を手がかりに、著者の華恵さんがその時々の自分を振り返って描写していく、彩りのあるセルフ・ポートレートです。
読み始めると、まるで自分が体験したことを思い出すように、懐かしくもどこか初々しいような気持ちにさせられ、一気に読んでしまいました。
昔の歌を耳にすると、当時のことを思い出すことってよくあると思うのですが、振り返ると、小さい時に読んだ様々な本が、自分の記憶の中にも残っていることにびっくりでした。
親に買ってもらったリンカーンの伝記絵本、何度も読み返した国語の教科書にあったごんぎつね、お小遣いで一生懸命買い揃えたぼくらの七日間戦争シリーズなど。華恵さんのように、各本にまつわるエピソードがあるわけでもないのですが、あのお店で買って、あの季節にあの場所で読んで、あの場面が好きで、、、とぼんやり浮かんでくるのがとても不思議でしたね。
今の自分の例えば価値観とか好き嫌いとかって、これまでの人との出会いや、仕事や遊びの経験から少なからず影響を受けていると思います。でも、純粋に好きで読んでいたこれらの本の中に、ホントの自分の好きなものや憧れるものが潜んでいるかもしれない。そんなことを「本を読むわたし」を読み終えてぼんやり考えていました。ごんぎつね、また読み返してみようかな♪